抄録
システムバイオロジーの一つの応用としてのシステムトキシコロジーは、毒性の影響評価を、システム論的に理解する領域である。この際に、大規模データを利用するアプローチや詳細な分子機構の理解を積み上げる方法などいろいろなアプローチが考えられる。しかし、最終的には、両者の利点を統合することが必要である。同時に、詳細な分子機構の理解を、大規模化する事は新たなチャレンジであると考えている。大規模データで、いろいろな解析ができたとしても最終的に、どうして毒性があるのかなどを説明できる必要があるからである。本講演では、大規模データと詳細な分子機構を使ったアプローチの融合や、大規模知識集約のアプローチなどに関しての我々の試みを議論する。ここでは、各種ソフトウエアプラットフォーム、標準化、知識集約への手法や、背後にあるシステム論的な理解の方法を取り上げる。