日本トキシコロジー学会学術年会
第38回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: W6-1
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毒性質問箱「幼若動物試験およびヒト初回投与量Q&A」
幼若動物を用いた試験の価値と現状
*川村 祐司児玉 晃孝
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キーワード: 幼若動物, 非臨床試験
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抄録
幼若動物を用いた試験は、小児医薬品開発において安全性リスクの最小化への貢献が期待されている。すなわち、幼若動物を用いた試験は、成熟動物との毒性強度の比較、幼若動物に特徴的な新規毒性の有無、幼若動物の成長への影響について検討することができる。欧米では、幼若動物を用いた試験に関するガイドライン又はガイダンスも公表されており、幼若動物を用いた試験の必要性の是非、その役割と目的、実施のタイミング及び試験デザイン等の記載がある。しかし、幼若動物の発育・発達への影響、毒性の感受性や薬物動態における幼若動物と成熟動物との差が、どこまで小児に外挿できるのか不明な点も多い。実際、開発現場では幼若動物を用いた試験は試行錯誤で行われており、評価方法が完全に確立されているとは言えず、その価値そのものに疑問も出されている。そこで、本セッッションでは、幼若動物を用いた試験の価値や有用性についてケース・スタディーを行いながら議論を進める。以下に示す課題を中心に、幼若動物を用いた試験の基礎的な内容に最新の情報を加味し、開発現場での評価に活用できる様な議論を展開したい。
1.幼若動物を用いた試験はどの様な場合に必要か、又はどの様な場合は不要なのか。
2.試験目的の設定。新規毒性の検出、毒性強度の比較又は成長への影響。
3.動物種、週齢、投与開始時期及び投与期間の選択。臓器・器官の発達におけるヒトと動物の比較。
4.小児臨床試験に向けた幼若動物の試験結果の有用性・予見性
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© 2011 日本毒性学会
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