日本毒性学会学術年会
第39回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-41
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4日間制限給餌ラットにおける毒性パラメータ変動に関する基礎的検討
*北口 隆宮内 慎菊地 聡美中川 裕介戸来 江美子川村 文仲野 善久松本 茂樹榊 潤一
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抄録
【背景・目的】
 近年、創薬早期に医薬品候補化合物の毒性プロファイルを取得することが求められている。創薬初期に実施されるin vivo探索毒性試験では少量の薬物を用いて短期間のうちに毒性的エンドポイントを見出す必要があることから、少ない動物数、短期間、比較的高用量で試験が実施される。このような試験条件において、化合物投与による摂餌量の低下とそれに伴う二次的な毒性変化がしばしば認められる。化合物による直接的な毒性と、摂餌量低下を介した二次的な変化の切り分けが毒性学的考察をする上で必要である。一方、ラットを制限給餌した毒性試験は数報報告があるものの、4日間という短期間の試験は報告されていない。そこでラットを4日間制限給餌し、その各種パラメータに対する影響を検討した。
【方法】
 11週齢の雄性RccHanTM:WISTラットを試験に用いた。自由摂食群、75%給餌群、50%給餌群を各群3例で設定し、各群0.5%メチルセルロース溶液5 mL/kgを4日間強制経口投与した。体重および摂餌量は毎日測定した。最終投与翌日にラットを解剖し、血液学的検査および血液生化学的検査、器官重量測定、病理組織学的検査を行った。
【結果・考察】
 給餌制限群において、経日的な体重の減少が認められたが、一般状態に影響は認められなかった。栄養欠乏(血液生化学パラメータの変動)、飲水量の減少(血液濃縮によるRBC、HGB、HCTの高値)および摂餌制限に伴うストレス(白血球系細胞の減少、胸腺重量の低下、副腎重量の増加)に由来すると考えられる変化が認められた。また、自社と既報の解剖条件(前日絶食の有無)の違いによると思われる変化も認められた。
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© 2012 日本毒性学会
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