日本毒性学会学術年会
第40回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-137
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一般演題 ポスター
マウスにおけるバルドキソロンメチルの免疫抑制作用
*橘川 美香土山 博美前田 晃央大信田 系裕宮本 庸平
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抄録
【目的】Bardoxolone methyl(CDDO-methyl ester,以下,BARD)は,合成オレアナントリテルペノイドの一つであり,強いNrf2活性化作用を有することが知られている。BARDは抗酸化炎症モジュレーターに分類され,免疫系に作用することが予想されるが,その報告数は少なく詳細は不明であった。一方,演者らは免疫毒性スクリーニングの一環として実施してきたマウス局所リンパ節試験(以下,LLNA)を応用し,免疫抑制活性の検出系を構築した。本検討では,当該試験系を用いてBARDの免疫抑制作用を確認するとともに,その作用メカニズムを考察した。【方法】雌7週齢BALB/cCrSlcマウスの両耳介皮膚に5,10%w/v(溶媒:DMSO)のBARDを25 µL/片耳ずつ3日間反復塗布投与し,投与終了翌日に頸部リンパ節の採取および重量測定を実施した。頸部リンパ節よりRNA抽出およびcDNA合成し,免疫抑制マーカー遺伝子(Zfp459LtfCbll1LiasFmo29630033F20RikKrt8Gjb1Hmha1Sfrs7Gbp1およびMup5)を定量的RT-PCRにて定量した。【結果およびまとめ】頸部リンパ節重量について,BARD投与群では溶媒対照群に対して用量依存的に有意な減少がみられた。免疫抑制マーカー遺伝子について,BARD投与群では溶媒対照群に対してZfp459およびFmo2の有意な増加がみられ,代謝拮抗剤様作用のマーカー遺伝子発現が増加した。したがって,BARDは免疫抑制作用を有し,その作用メカニズムには代謝拮抗剤と共通な因子が関与する可能性が示された。
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© 2013 日本毒性学会
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