抄録
腎毒性の検出には血清クレアチニンが汎用されているが検出感度,特異性共に十分とは言えない。近年,従来のバイオマーカーと比較して検出感度や特異性が高い新規の尿中腎毒性バイオマーカーが数多く報告されている。しかし,これらのバイオマーカーを有効的に活用するには,マーカーの特徴把握や使用法,判定基準の設定,測定法の確立,臨床へのトランスレーション等,多くの課題を克服する必要がある。
本ワークショップでは,臨床現場での腎毒性評価の現状,臨床及び非臨床における腎毒性バイオマーカー研究,新たな腎毒性評価法について諸先生方からご講演頂くことになっている。そこで,本セッションでは臨床・非臨床の両面から腎毒性評価の課題整理や今後の展望について総合討論を行い,基礎から臨床へのトランスレーションの一助となるよう議論を深めていきたい。