日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: W3-4
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ワークショップ 3 安全性評価を支える薬物動態試験のあり方
薬物動態試験における分析法バリデーションガイドラインと日本における規制バイオアナリシスについて
*香取 典子
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抄録
薬物動態(PK)試験、トキシコキネティクス(TK)試験および生物学的同等性(BE)試験の際には、血漿や組織中の薬物濃度を求めるため、LC/MS/MSや免疫学的測定法が用いられるが、生体由来成分が測定に影響を与えるため、分析結果が大きな変動を示す.生体試料中の薬物定量分析は、医薬品開発において安全性有効性を判定する上で重要であり、高い信頼性が要求されるため、分析法バリデーション(Bioanalytical Method Validation 、BMV)が重要となる。BMVについて、米国FDAでは2001年に、欧州EMAでは2011年にガイダンス/ガイドラインが出されるなか、日本においてもBMVガイドライン策定に関して早急な取り組みが必要と言う認識が広まり、2011年にまずバイオアナリシスフォーラム(JBF)が結成され、続いてガイドライン策定を目的として厚生労働科学研究班が立ち上げられた。昨年7月にはついに日本版BMVガイドライン「医薬品開発における生体試料中薬物濃度分析法のバリデーションに関するガイドラン」およびQ&Aが正式に発出された。本ガイドラインは、主に低分子医薬品、LC(GC)/MSを対象とし、GLP試験であるTK試験や臨床試験における薬物又はその代謝物の生体試料中薬物濃度の定量試験のバリデーションおよび実分析に適用されるものである。さらに、本年1月には、単独のガイドラインとしては世界初となる、リガンド結合法(Ligand Binding Assay, LBA)を対象としたBMVガイドライン案のパブリックコメントが開始された。これまで出されたガイドラインについては英訳版も公表され、集まったコメントは国内のみならず海外からも多数寄せられた。このことは規制バイオアナリシスに関して、これらのガイドラインが日本国内のみならずグローバルな影響力をも持つことを示している。本講演ではガイドラインの紹介に加えて、規制バイオアナリシスの国際的な議論について述べたいと考える。
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© 2014 日本毒性学会
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