日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-160
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亜硝酸処理されたニコチンガムの変異原性発現とその抑制について
*出口 雄也森崎 沙世諸富 有智岸 智裕長岡 恵長岡 寛明
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抄録
【目的】
我々は第41回日本毒性学会学術年会において、ニコチンガムを亜硝酸処理(pH3.0、4.0、5.0)した場合に、pH3.0での反応生成物がAmes試験で変異原性を示すことを明らかにした。本研究では、pH2.0での亜硝酸処理生成物について変異原性を評価するとともに、反応液中にアスコルビン酸を添加することによる変異原性の抑制について検討した。
【方法】
ニコチンガムのニコチン含有量に対して等倍量、10倍量、100倍量の亜硝酸ナトリウムを添加した緩衝液中(pH 2.0、3.0、4.0、5.0)に3mmの小片に細切したニコチンガムを加え、37℃で60分間反応させた。反応物を酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮したものをDMSOに溶解し、Ames試験の試料とした。Ames試験はプレインキュベーション法で実施し、ラット肝臓S9mixによる代謝活性化法を併せて実施した。菌株にはTA98株、TA100株を用いた。また、変異原性を示したものにおいては反応液にアスコルビン酸を添加することによる変異原性の変動について調べた。
【結果】
亜硝酸処理したニコチンガムは、pH2.0、3.0の緩衝液で10倍量、100倍量の亜硝酸ナトリウムと反応させた場合に変異原性を示した。アスコルビン酸を添加した場合には、10倍量の亜硝酸ナトリウムの場合は変異原性の減少がみられたが、100倍量の亜硝酸ナトリウムでは変異原性の増加がみられた。現在、反応液中の4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone (NNK)やN-nitroso nornicotine(NNN)などのタバコ特異的ニトロソアミンの測定を行っており、それらの結果についても併せて報告したい。
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© 2015 日本毒性学会
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