日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-122
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一般演題 ポスター
マイクロサンプリングの実施状況に関するアンケート結果(バイオアナリシス・フォーラム,DG2015-17による調査)
*難波 英太郎家木 克典大道 浩三加藤 杏子中井 恵子仁井 一夫二橋 陽一郎益山 慶山根 真一
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抄録
マイクロサンプリングは,従来よりも少ない量の試料で非臨床試験における生体試料中薬物濃度やバイオマーカー濃度を評価する技術であり,マイクロサンプリングの適用により,同一個体での毒性と薬物曝露量の直接的な関連性の評価や,試料採取量やサテライト動物の削減による3Rsへの貢献が期待される。現在,日米EU医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use,ICH)において,S3A(トキシコキネティクス)ガイダンスのQ&Aとしてマイクロサンプリングに関する指針の作成が進められている。
バイオアナリシス・フォーラム(Japan Bioanalysis Forum, JBF)は,バイオアナリシスの発展と課題解決のために国内の産官学のバイオアナリシス関係者により構成された団体であり,その活動の一つとしてバイオアナリシスに関する諸問題をディスカッション・グループで議論している。ディスカッション・グループDG2015-17は,マイクロサンプリングを実践する上での課題を明らかにし,医薬品の非臨床試験に関わる担当者間で対応策を議論,検討していくことが円滑な定着につながると考え,2015年10月に日本国内における実施状況,実施する上での問題点,留意点を把握するためにアンケート調査を行った。アンケートは,JBFの活動に関与している製薬企業及び委託研究機関,計66社に対して協力依頼し,37社から回答を得た。
アンケート結果によると,マイクロサンプリングを適用した動物実験の実施経験がある企業は回答数の3分の2に達し,従来と同等の評価が可能であり,試験結果に対する満足度も高いとする意見が多くを占めた。一方で,マイクロサンプリングを適用するために通常とは異なる操作上の留意点がいくつか指摘された。
発表では,アンケート結果の概要を紹介し,今後,取り組むべき課題について考察する。
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© 2016 日本毒性学会
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