日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-42
会議情報

一般演題 ポスター
大規模トキシコゲノミクスデータベースを用いた免疫抑制化合物予測モデルの構築
*五十嵐 芳暢中津 則之山田 弘
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
アジュバントデータベースプロジェクトでは、各種アジュバントを投与した動物の網羅的遺伝子発現情報を取得解析したデータベースを構築している。アジュバントとは抗原とともに投与することで、抗原に対する免疫原性を増強、加速、延長する免疫増強製剤の呼称である。しかし、これまでアジュバント自体の作用メカニズムについては、明らかではない部分が大きかった。そこで、アジュバント単体を投与したラットの脾臓、肝臓等の網羅的遺伝子発現情報を取得することによって、アジュバントの副作用や毒性および免疫システムへの作用メカニズムを探索、評価することを目指している。
一方、これまでトキシコゲノミクスプロジェクトでは、薬剤を投与したラット肝臓や腎臓の遺伝子発現情報を用いた毒性予測モデルを構築してきたが、免疫調節に関わる薬剤の精度のよい予測モデルは構築されていなかった。本研究ではこれまで開発してきた毒性予測モデルの主な構築方法に改良を加え、Open TG-GATEsデータを用いて免疫抑制化合物予測モデルを構築した。改良した方法によって得られた特徴遺伝子は、自然免疫の初期応答に関わるメカニズムを反映していることが、パスウェイを再構築することにより示唆できた。またモデルの予測結果に偽陽性は少なかった。DrugMatrixを用いた外部データによる予測でも同様の傾向を示すことができた。本報告では上記予測モデルについて紹介する。
著者関連情報
© 2016 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top