日本毒性学会学術年会
第48回日本毒性学会学術年会
セッションID: S13-2
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シンポジウム13
ヒトES細胞を用いた化学物質毒性予測系の成人毒への適用
*山根 順子大槻 博礼猪俣 孝二鈴木 睦曽根 秀子藤渕 航
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抄録

動物代替法の候補の一つとして、化学物質の毒性予測を迅速・正確・低コストで実施するために、標的細胞や臓器の作成を行わず、ヒトES細胞に発達毒性物質を曝露することによって95%以上の高精度で毒性予測を実現するシステムを2016年に報告した。今回は腎毒性、神経毒性、肝毒性等の成人毒の毒性予測への適用を試みた結果を報告する。約20物質のヒトES細胞における反応遺伝子発現データを用い毒性予測を行ったところ、例として肝毒性物質では90.5% の高精度で予測が可能であることがわかった。ヒトES細胞を化学物質の反応デバイスとして用いる本予測系はこれまで予測が困難であった混合物にも対応可能であり、様々な化学物質に対して未知の一次毒性スクリーニングとして用いることができる。今後化学物質の数が増えることにより、機械学習の効果が発揮され更に頑強な予測システムとなることが期待される。

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