日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-217
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静脈内投与による造腫瘍性試験の陽性対照細胞の検討
*金光 弘幸寺戸 康徳岡田 美穂福永 八千代伊藤 雅彦蟹谷 昌尚
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抄録

近年、再生医療等製品の免疫不全動物を用いた造腫瘍性試験では、陽性対照群を設ける場合が多くなって来ている。しかし、投与経路が静脈内投与の場合、腫瘍形成能が詳細に研究され認知された陽性対照細胞が現状殆ど無い。そこで、ヒトneuroblastoma由来SK-N-SH細胞が静脈内投与による造腫瘍性試験の陽性対照細胞として用いることができるかどうか検討した。

雌のNOGマウス〔NOD/Shi-scid, IL-2RγKOJic、投与時7週齢、10匹/群〕にSK-N-SH細胞を7.8×102、7.8×103及び7.8×104 cells/mouseの細胞数で単回静脈内投与し、その後16週間観察した。

その結果、SK-N-SH細胞が肝臓を主とする諸臓器へ定着することにより、投与8週から14週に7.8×103及び7.8×104 cells/mouse投与群の全例、投与12週から14週に7.8×102 cells/mouse投与群の3例が死亡した。SK-N-SH細胞の肝臓への定着を基準とした50% tumor-producing dose(TPD50)は909 cells/mouseであった。

上記結果より、ヒトneuroblastoma由来SK-N-SH細胞は静脈内投与による造腫瘍性試験において陽性対照として今回検討したいずれの細胞数でも有用性があるものと判断され、造腫瘍性の試験期間に応じた至適投与細胞数が確認された。

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