日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-48E
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抗がん剤による骨髄毒性の各種動物における詳細検討②
*西野 瑶子永山 裕子宮嶋 之子中谷 陽介西谷 春香中村 優太若山 直美太田 恵津子朝倉 省二
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抄録

【背景・目的】CIN(Chemotherapy induced neutropenia)やFN(Febrile neutropenia)は抗がん剤治療において頻度が高い副作用として認められ,これらの副作用はRDI(Relative dose intensity)や治療効果の低下につながる。TK/TDシミュレーションを用いて,ヒトにおける抗がん剤による骨髄毒性の発現プロファイルを予測出来れば,投薬が続けられずに薬効がでないリスクを最小化し,患者様・被験者様に薬効用量が処方される機会が増えると考えられる。昨年度,TK/TDモデルの確立に向けて取得した,各種動物における抗がん剤による末梢血球数の変化を中心に報告した。今年度は末梢血の変化と骨髄中の変化の相関性について報告する。

【方法】ラット,マウス,イヌ,カニクイザルにTubulin阻害薬であるDocetaxel, Paclitaxelを単回静脈内投与した。過去の結果から,多くの薬剤,動物種において好中球数がDay5にnadirとなる傾向があったため,げっ歯類は用量相関性が認められる3用量以上を用いてDay5で骨髄を採材した。大動物では経時的な変化を考察するため,骨髄に影響のある用量を用いてDay5を含む各ポイントで採材した。採材した骨髄を用い,病理組織学的検査,有核細胞数の測定,塗抹標本観察による分類を実施した。

【結果】各抗がん剤および各動物種において,用量ごと,または経時的な骨髄の変化についてのデータを取得した。昨年度報告した,Docetaxelを投与したラットにおいて認められた病理組織学的所見や末梢の血球数変化と相関する骨髄有核細胞数の変化がPaclitaxel や他の動物種でも確認された。本学会では,より詳細に比較した結果について報告する予定である。

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