主催: 日本毒性学会
会議名: 第49回日本毒性学会学術年会
開催日: 2022/06/30 - 2022/07/02
遺伝子改変マウスは、医学・生命科学研究において必須の実験動物であるが、その作製には安定した技術と比較的長い時間が必要であった。特にマウスのゲノム改変が必要なノックアウトマウスやノックインマウスの作製には、胚性幹細胞(ES細胞)を用いた相同遺伝子組換え、ES細胞を用いたキメラマウスの作製が必要であり、ホモ変異マウスの作製まで1年から2年程度の時間が必要であった。しかし、2013年に報告されたCRISPR/Cas9システムを用いることにより、マウスの遺伝子改変はES細胞を使わずに受精卵での作製が可能となった。我々のセンターでは、受精卵を用いた遺伝子改変マウスの受託作製を行っており、既に多くの遺伝子改変マウスを作製し、供給している。本講演では、CRISPR/Cas9システムとマウス受精卵を用いた遺伝子ヒト化マウス作製の実際とその応用例、さらには注意点を紹介したい。