日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: S2-4
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シンポジウム2
PKD1 ノックアウトカニクイザルの作製・解析と今後の展開
*依馬 正次
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抄録

これまで遺伝子改変マウスはヒト疾患を外挿する優れたモデル動物として長い間頻用され、薬効試験にも用いられてきた。一方、パーキンソン病、アルツハイマー病などのヒト疾患については病態を再現することが困難であった。

非ヒト霊長類は解剖学的、生理学的、遺伝学的にヒトにより近いため、多くのヒト疾患を忠実に再現する可能性が高いと期待されてきたが、遺伝子改変の困難さが課題であった。これまでに我々は、非ヒト霊長類の1種であるカニクイザルに対して、レンチウイルスを用いてトランスジェニック動物を作製するとともに、CRISPR/Cas9法を用いたゲノム編集技術によって、ノックアウトマウス動物を作製し、ヒト疾患モデルカニクイザルを効率的に作出する基盤を築いてきた。講演では、常染色体多発性嚢胞腎(ADPKD)の原因遺伝子PKD1をノックアウトしたカニクイザルを用いた研究を中心に、これまでの遺伝子改変技術の開発とヒト疾患モデリングに対する我々の取り組みについて紹介する。

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