日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: S22-4
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シンポジウム22
マウス表現型解析情報を正しく伝える
*若菜 茂晴
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抄録

表現型とは生物機能そのものを示す用語であり、その正確な結果を見いだすことは生物学の目的といっても過言ではない。一般に、表現型という言葉は、生物学分野では広く捉えがちであるが、疾患症状のような漠然としたものから、数値解析のような定量的な記載もある。表現型情報は、遺伝子型によって規定された生物の形態、構造、行動や生理的機能をあらわすものである。その手法もさまざまあり、実験に用いるまでの飼育条件によっては安定性が保たれないこともある。実験結果の再現性を保ちより正確な表現型情報を創出するには、生物情報の標準化によって汎用性が叫ばれる今日、研究者はもちろん飼育技術者もなにが重要かきちんと理解しておくべきかと考える。我々はこれまでマウスENUミュータジェネシス、日本マウスクリニック、およびIMPC(International Mouse Phenotyping Consortium)の活動を通じてマウスの網羅的表現型解析に取り組んできた。本講演ではこれまでの経験をふまえてマウス表現型解析情報を正しく標記することの難しさ、そしてその重要性について述べていきたい。

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