日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: S23-5
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シンポジウム23
デジタルツイン時代のCOVID-19研究
*岩見 真吾
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抄録

私たちの研究室は、数理モデルとコンピュータシミュレーションを駆使し、異分野にまたがる生物学研究を進める、国内ではじめての異分野融合生物学の研究拠点である。近年、最先端計測機器の登場により、生命を構成する最小単位である個々の細胞レベルで生命現象を理解する試みが始まっている。これらのアプローチには多種多様かつ膨大なデータを伴うが、巨大データが持つ情報を100%抽出し、利用することは極めて困難である。従来の手法で取得される臨床・実験データでさえ、内包する情報を不完全にしか利用できていない場合もある。しかし生命現象は本質的に高次元で非線形であることを考えれば、数理科学、情報学、物理学など、異なる分野で開発されてきた理論や蓄積されてきた知見を利活用することで、データを制することが期待できる。つまり、生命現象の理解のために適切な分野を融合することで、定量的な観点からメカニズムを追求する次世代の生命科学分野を創出できる。今回は、私たちが取り組んでいる新型コロナウイルス感染症の研究について紹介する。

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© 2022 日本毒性学会
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