日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: W4-5
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ワークショップ4
エクスポソーム研究における無脊椎動物モデル活用の可能性
*丹羽 隆介
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抄録

エクスポソーム研究の究極的目標は、内因的および外因的な化学物質の暴露による個体の老化や病態に与える影響の理解である。しかし、ヒトを対象とした研究の倫理的問題や、哺乳動物の研究材料としての複雑さから、包括的なエクスポソーム研究推進には、より簡便・安価・迅速に扱えるがモデル生物の導入が有用と考えられる。従来の生命科学においては、ショウジョウバエDrosophila melanogasterや線虫Caenorhabditis elegansに代表される無脊椎動物モデルが、発生や生理の分子メカニズムの解明に大きく貢献してきた。よって、これらの無脊椎動物モデルおよびこれらのモデルで発達した遺伝学的ツールは、エクスポソーム研究においても大いに有効と思われる。本講演では、ショウジョウバエや線虫を用いたエクスポソーム研究の現状を概観するとともに、昆虫ステロイドホルモン生合成に関わるグルタチオンS-転移酵素Noppera-boを阻害する化合物に関する発表者らの研究を紹介し、無脊椎動物モデルを用いたエクスポソーム研究の将来的可能性を議論したい。

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