東海公衆衛生雑誌
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高年妊婦の妊娠届出時からの継続支援の必要性に関する文献検討
―35歳以上の高年初産婦に焦点を当てて―
立山 美子
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2022 年 10 巻 1 号 p. 136-141

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抄録

目的 高年妊婦は, 妊娠, 出産, 育児の面で問題があり, 地域母子保健分野において, 継続支援が必要な対象者であると考える。今回, 35歳以上の高年妊婦のうち初産婦に焦点を当て, 妊娠届出時の面接からハイリスク妊婦として見極め, 継続支援が必要である視点を明らかにする。

方法 高年初産婦をキーワードに2000年~2021年CiNiiによる文献等を検索し, 高年初産婦の身体面, 精神面, サポート面に関連する23件の文献を採用した。

結果 高年妊婦は, 出産後睡眠時間が短いことや睡眠効率も悪いことが明らかとなっており, 妊娠届出時に睡眠時間や睡眠の質について確認することは, 妊娠から出産後の身体面だけでなく精神面の支援にもつながることが示唆された。また精神面では, 20~34歳の初産婦と比較し, 育児不安やエジンバラ産後うつ病質問票得点が, 出産後, 1か月と有意に高かったことが明らかになっており, 妊娠中の精神状態や既往歴に着目する必要性が示唆された。サポート面では夫の支援は得られながらも満足できる支援には社会資源の活用が有効であると示唆されていた。

結論 妊娠届出時の面接から支援が必要である見極めの視点として, 高年妊婦の場合は, 精神面に着目し, 身体面, サポート面も含め妊娠中より継続支援していく必要性が示唆された。

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© 2022 東海公衆衛生学会
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