目的:大都市に暮らす1人暮らし高齢者の日常生活圏域内での社会参加を目的とした外出頻度とその関連要因を明らかにすること。
方法:首都圏のA市(人口368.9万人)で開催されている,高齢者を対象とした食事会に参加した一人暮らし高齢者を対象に,食事会の場で無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は国際生活機能分類(ICF)の構成概念を枠組みとして【健康状態】【心身機能】【活動】【参加】【環境要因】【個人要因】の6群の35項目とした。調査期間は平成22年10月~平成23年3月。本報告では,【参加】として取り上げた5項目の外出内容のうち「地縁組織活動」に焦点を当て他項目との関連を統計学的に分析した。
結果・考察:432名に調査票を配布し,343名から回答を得て(回収率:79.4%),うち331名(有効回答率:76.6%)を分析対象とした。【参加】は多い順に「余暇活動」,「地縁組織活動」,「文化的活動」の順であった。「地縁組織活動」の参加頻度で2群に分け,二項ロジスティック回帰分析を行った結果,「外出志向」(OR=5.30, 95%CI:2.45-11.47),「歩行補助具の使用」(OR=2.65, 95%CI:1.36-5.16),「家族や友人の訪問頻度」(OR=2.02, 95%CI:1.20-3.38),「収入満足」(OR=1.88, 95%CI:1.16-3.07),「近隣者からの情報入手」(OR=1.75, 95%CI:1.06-2.88)が有意に関連していた。この結果より,地域保健福祉に携わる専門職は一人暮らし高齢者の潜在的な歩行不安,人的ネットワーク,経済状況を把握した上で予防的に関わることの重要性が示唆された。