目的 都道府県別食塩・野菜摂取量と循環器疾患死亡について検討し,公衆栄養対策等に有用な知見を得る。
方法 1995-99年,2012年の都道府県別食塩・野菜摂取量の平均値及び2005年,2010年の脳血管疾患,虚血性心疾患,全死亡の年齢調整死亡率の公表データを用いてピアソン相関分析を実施した。また食塩摂取量と年齢調整死亡率の相関では同年の野菜摂取量を,野菜摂取量と年齢調整死亡率の相関では同年の食塩摂取量を調整した偏相関分析を実施した。
結果 男女ともに食塩・野菜摂取量と脳血管疾患死亡は有意な正の相関を示した。食塩摂取量と野菜摂取量は正の相関を示し,食塩摂取量を調整した場合,野菜摂取量と脳血管疾患死亡の有意な相関は消失した。
結論 野菜摂取量と脳血管疾患死亡の正の相関は,食塩摂取量に交絡されたEcological Fallacy(生態学的錯誤)であると考えられた。野菜摂取量の多い地域では食塩摂取量も多いことから,今後,都道府県等における公衆栄養対策では,食塩摂取量を減らしつつ,野菜摂取量を増やすポピュレーションアプローチが重要と考えられる。