東海公衆衛生雑誌
Online ISSN : 2434-0421
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困りごとに対する周囲の人的サポートと中学生QOLの関連
井倉 一政宮﨑 つた子
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2016 年 4 巻 1 号 p. 86-93

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抄録

目的 本研究は,中学生の相談できる人の有無がQOLに与える影響を検討することを目的とした。

方法 地方都市部の公立中学校の1年生から3年生を対象とした。調査内容は,「学年」,「性別」,「現在治療している病気があるか」,「人の気持ちを大切にできる人になりたいか」,「いじめはどんな理由があってもいけないと思うか」,「今困っていることがあるか」,「困ったときに相談できる人がまわりにいるか」,「困ったときに相談できる人は誰か(友達,父親・母親,学校の先生,親以外の家族,その他)」,およびQOLで構成した。QOLの調査はKid-KINDL日本語版を用いた。

結果 回答のあった467人を分析対象とした。その内訳は,1年生149人(31.9%),2年生167人(35.8%),3年生151人(32.3%)であった。性別は,男231人(49.5%),女230人(49.3%)で,回答者の男女比は1:1であった。今困っていることがあるのは92人(19.7%)で,困っていることがないのは375人(80.3%)であった。困ったときに相談できる人がまわりにいるのは,412人(88.2%)であり,相談相手の上位3項目は友達345人(73.9%),父親・母親232人(50.1%),学校の先生117人(25.0%)であった。重回帰分析の結果は,総QOL得点に関連する要因は「困ったときに相談できる人がまわりにいる」,「学年」,「今困っていることがある」の3つであり,自由度調整済みR2は0.252であった。また,困ったときに友達や父親・母親に相談できる生徒のほうが,できない生徒よりQOLが高かった。

結論 困ったときに相談できる人がまわりにいる生徒のほうが,いない生徒より総QOL得点や下位尺度の「身体的健康」,「精神的健康」,「自尊感情」,「家族」,「友だち」,「学校」が高得点であった。また,困ったときに「友達」,「父親・母親」に相談できる生徒のほうが,できない生徒より総QOL得点が高かった。困ったときに相談できる人がいる環境づくりを重視することが大切であると考えられた。

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