東海公衆衛生雑誌
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保健所管内で取り組んだ看護職間連携のための研修会の事業評価
井倉 一政多次 淳一郎前山 和子
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2018 年 6 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

目的 保健所管内(人口約21万人,高齢化率28.1%)における保健医療福祉の各分野の看護職間の連携の実態を踏まえて「看護職間連携のための研修会」と「多職種交流のための研修会」に取り組んだ。本研究ではその活動を報告することを目的とした。

方法 研修会の参加者に対して無記名自記式質問紙調査を行った。質問紙調査の項目は,所属,看護職の経験年数,職種,研修会の参加満足度(満足した~不満足の5件法),今後の実践への有用性(おおいに役に立つ~役立たないの5件法),自由記載で構成した。量データは,単純集計を行い,度数と割合を算出した。自由記載は,記載された内容を類似性に着目して,複数の研究者でカテゴリ化を行った。

活動内容 2016年2月に2回の研修会を実施した。1回目の内容は,保健所長からの保健・医療・福祉の現状の講演(30分)と急性期医療,回復期・療養医療,在宅の各分野の看護職が他分野・他機関の看護職と連携した具体的な事例の発表(60分),フロアとのディスカッション(30分)で構成した。2回目の内容は管内で在宅医療に積極的に取り組んでいる病院の院長から,管内の地域包括ケアシステムについての講演(60分)と急性期,慢性期,保健所の各看護職からの事例を含む話題提供(45分),フロアとのディスカッション(15分)で構成した。参加者はそれぞれ101人,173人であった。質問紙調査の回答者は85人(回収率84.2%),147人(回収率85.0%)で,各回とも8割以上の者が研修への参加に満足した,今後の役に立つと回答した結果であった。

結論 それぞれの看護職が報告した具体的な事例を通して,参加者は管内の保健・医療・福祉の現状を学び,地域包括ケアシステムにおける看護職を取り巻く実情や課題を理解しあう機会となったと考えられた。今後は,看護職連携の具体的な成功事例を積み重ね,地域の関係者で共有することが必要であり,これらの活動を継続することが,看護職連携の仕組みづくりの一助となると考えられた。

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