東海公衆衛生雑誌
Online ISSN : 2434-0421
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多機関における地域診断の研修実践報告
都市部委託型地域包括支援センターが主催する研修方法について
安保 育子中村 廣隆大戸 好穂加藤木 かおり大河原 亜矢子日比野 津貴子
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2018 年 6 巻 1 号 p. 51-59

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抄録

目的 都市部委託型地域包括支援センターが主催する研修で,多職種で地域課題を共有することが協働の推進や資質向上に繋がったことから,その工夫と成果を報告する。

方法 2017年に地域包括支援センター(以下,包括センター),学術経験者,保健所で研修会を開催し,「見える化」した地域診断結果を用いた地域課題分析を実施。また,地域住民と協働した地域づくりの実践方法について学び,今後の地域実践について意見交換会を行った。その後,自記式質問紙を用いて研修内容を評価した。

結果 包括センター職員が,地域包括ケアシステムの住民主体の地域づくりのための地域課題の分析の必要性を理解し,住民共同の取り組みの実際を知ることができた。さらに,研修企画の過程でセンター内保健師等チームが,介護予防を実践するための地域の課題を分析し,実践計画を立てることができた。単独の包括センターでは解決できない生活圏域の地域課題を,多機関協働で共有し,検討することができた。

結論 多機関多職種協働の研修により以下の成果を得た。①包括センター職員が,地域課題の把握分析の重要性の認識を深める。②包括センターの保健師等チームが,地域住民共同の介護予防実践の計画と,その課題を振り返り,実践事例や客観的データの分析方法を知る。③地域課題や介護予防の具体的な取り組みについて,学術,行政の視点も含め,所属や機関を超えて検討することができた。

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© 2018 東海公衆衛生学会
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