東海公衆衛生雑誌
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春日井市民の災害時の食生活の備えに関する実態
加藤 功一郎飯田 将人岡庭 里奈加藤 万耶佐藤 美鈴鈴木 芙由美森田 美咲安江 紗希古畑 利子倉知 絵美近藤 今子
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2019 年 7 巻 1 号 p. 120-127

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抄録

目的 春日井市民の災害時における食生活の備えの実態を把握し,効果的に推進するための基礎資料を得ることを目的とした。

方法 2017年5月から10月に,春日井市が開催する健康教室等の事業および中部大学の春日井市在住の学生,職員等を調査対象とした。アンケートは自記式無記名とし,調査項目は,性,年代等の基本属性,要配慮者に対する災害時の食事の準備状況,災害時の備えに関する知識,非常用持ち出し袋および非常用食料の準備状況,非常時に自宅にある食料で過ごせるであろうと予測される日数(以下,災害時自力食生活予測日数),常備している食品および器具とした。分析は単純集計以外に,災害時の備えに関する知識の状況と,性,非常用持ち出し袋および非常用食料の準備状況との関連についてPearsonのカイ二乗検定を,災害時自力食生活予測日数(3日以上)を従属変数とし,災害時の備えに関する知識を説明変数としてロジスティック回帰分析を行った。

結果 回答のあった899人のうち基本属性に欠損のない838人を分析対象とした。要配慮者のいる世帯は57%で最も多いのは乳幼児の34%であった。乳幼児への災害時の食事の準備状況は24.1%であった。ライフラインの復旧の順序,一日に必要な飲料水の量,ローリングストック法を知っていたのは順に35%,45%,27%であった。非常用持ち出し袋は44%が,非常用食料は73%が用意していた。災害時自力食生活予測日数は「3~6日」が50%,「7日以上」が5%であった。非常用持ち出し袋および非常用食料は,知識が高い(3つの知識のうち2つ以上を知っている),ローリングストック法を知っていた場合に有意に用意していた。災害時自力食生活予測日数「3日以上」は,ライフラインの復旧の順序,ローリングストック法を知っている場合に有意に多かった(オッズ比1.56(95%CI:1.13~2.16),1.49(1.05~2.12))。

結論 今回,春日井市民の災害時の備えの状況を明らかにすることができた。要配慮者がいる世帯が6割であったが,災害時の食事の準備状況は低かった。災害時の備えに関する知識と非常用持ち出し袋や非常用食料の用意および災害時自力食生活予測日数には関連があり,知識がある場合に良好であった。

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