東海公衆衛生雑誌
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東海4県における市町村母子保健計画の状況について
中島 正夫
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2019 年 7 巻 1 号 p. 128-134

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抄録

目的 母子保健活動が地域で効果的・総合的に推進されるためには市町村が母子保健計画を策定することが必須となるが,その根拠は母子保健法で定められていない。本研究は東海4県における市町村母子保健計画の策定状況や内容を明らかにし,策定に関する今後の方向性について検討することを目的とする。

方法 (1) 計画の策定状況:東海4県のすべての市町村(160市町村)を対象として,2018年6月に母子保健担当部局宛に調査票を郵送した。調査内容は,母子保健計画策定の有無,策定の形態(単独策定・他計画との一体的策定)などとした。(2) 計画の内容:(1)に対する回答が得られた90市町村のうち市町村のウェブサイトで該当する計画が閲覧できた計画など69計画を対象とし2014年に示された母子保健計画策定指針を参考にして内容を分析した。

結果 (1) 計画の策定状況:回答があった90市町村について,母子保健計画を策定していないと回答された市町村が3あった。策定していると回答された87市町村のうち,単独策定は8(9.2%),他計画との一体的策定は79(90.8%)であった。計画は「単独策定」「健康増進計画等との一体的策定」「子ども・子育て支援事業計画等との一体的策定」に分けられた。(2) 計画の内容:「方策」についてはいずれの形態でも基本的に母子保健事業全般について記載されていたが,「地域の状況」や「指標・目標」については,「単独策定」に比べ,特に「子ども・子育て支援事業計画等との一体的策定」において記載されている内容が少なかった。

結論 東海4県における市町村母子保健計画の状況について調査した結果,その形態や内容に大きな差異が生じていることが確認できた。策定指針では「母子保健の一義的な目的である,母子の生命を守り,母子の健康の保持・増進を図ることを念頭においた計画づくりが求められる。」としているが,その内容が十分とはいえない計画が大部分となっていた。今後の方向性として,母子保健計画策定の法定化が望まれるが,当面の対応として,厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知により「他の法定計画等と一体的に策定する場合は,別途母子保健に関する詳細計画を策定すること」を勧めることが適当と考える。

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© 2019 東海公衆衛生学会
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