1999 年 1 巻 3 号 p. 024-036
高速鉄道建設において,ドイツでは交通路整備に対する連邦の全面的な責任のもと,無利子貸付金及び補助金制度により整備期間の短縮が実現している.これに対し,日本では重要路線に関しては既に整備が終了したが,九州,四国そして北海道までの新幹線ネットワークの整備が遅れている.一つの理由は経済状況の悪化により財源確保が難しくなったことである.しかし日独における1km当たり建設費の差異を考慮すれば,日本における政府支出額は過少であると言える.道路に対する鉄道の環境優位性,また地域の経済発展への寄与という観点から,日本においても高速鉄道整備に関して政府が積極的な支援を行う必要がある.