運輸政策研究
Online ISSN : 2433-7366
Print ISSN : 1344-3348
1 巻 , 3 号
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研究
  • 岩倉 成志, 家田 仁
    1999 年 1 巻 3 号 p. 002-013
    発行日: 1999/01/31
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    費用便益分析の実務的検討が,わが国で始まって約30年が経過した.この間,消費者余剰アプローチやヘドニックアプローチ,地域計量経済モデルなど,様々な手法が検討され,適用される一方,運輸省鉄道局は,プロジェクト審査を念頭に統一化した手法に基づくマニュアルの整備を必要とした.本論文は,鉄道プロジェクトを対象とした費用便益分析の実用化の動向に焦点を当てることで鉄道政策のレビューを行うとともに,より広義の費用対効果分析の政策導入の現状と今後の課題について整理することを目的とする.

  • 遠藤 伸明, 尾崎 俊哉
    1999 年 1 巻 3 号 p. 014-023
    発行日: 1999/01/31
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    本稿は,98年1月に妥結した日米航空交渉を巡り,完全なオープンスカイの実現という米国政府の当初の対日政策目標が,どのような過程を経て後退したかについて,米政府と航空業界の動きを政治経済学の視点から分析したものである.米政府の対日航空政策は,運輸省が独自に推進するものではなく,航空業界のその時々の意見に左右された.米国航空各社は,独自の判断で自社の立場を政府に働きかけており,その結果が政策の形成と転換につながったという結論が導かれた.ただし,政府は無原則に業界の代理人となるのではなく,市場における競争の確保を政府の役割とみなしていた.理論的には,米国内の政策過程における多元主義,国際交渉での2レベル・ゲームの有効性,及び現実主義を応用することの限界についても明らかとなった.

  • アンドレア・オバーマウア
    1999 年 1 巻 3 号 p. 024-036
    発行日: 1999/01/31
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    高速鉄道建設において,ドイツでは交通路整備に対する連邦の全面的な責任のもと,無利子貸付金及び補助金制度により整備期間の短縮が実現している.これに対し,日本では重要路線に関しては既に整備が終了したが,九州,四国そして北海道までの新幹線ネットワークの整備が遅れている.一つの理由は経済状況の悪化により財源確保が難しくなったことである.しかし日独における1km当たり建設費の差異を考慮すれば,日本における政府支出額は過少であると言える.道路に対する鉄道の環境優位性,また地域の経済発展への寄与という観点から,日本においても高速鉄道整備に関して政府が積極的な支援を行う必要がある.

  • 蓼沼 慶正
    1999 年 1 巻 3 号 p. 037-046
    発行日: 1999/01/31
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    現在,大都市圏の鉄道整備は,社会的に必要であるものであっても,十分に行われない環境にある.その理由として,鉄道整備には膨大な費用を必要とすること,また沿線自治体,既存鉄道事業者等,関係者間の利害調整に大きな労力を要することが挙げられる.本研究では,新しい鉄道整備方策の枠組みとして公設民営による上下分離方策を検討する.上下分離方策では公共的な保有主体が鉄道を整備,保有し,私企業たる輸送主体が市場性を持った輸送サービスを提供することにより,社会的に必要な鉄道サービスが効率的に提供されうる.本研究では,輸送主体の参入方式,及び運賃の決定方式等の上下分離の枠組みについて具体的に検討した.

報告
  • 奥平 聖
    1999 年 1 巻 3 号 p. 047-053
    発行日: 1999/01/31
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    公共事業の効率化・透明化への要請の強まりの中で,建設省においては,平成9年度から道路事業の新規採択に当たって客観的評価指標による評価を行っており,その指標の一つとして費用対効果分析の結果を用いている.平成10年6月には道路投資の費用対効果分析の基本的な手法として「道路投資の評価に関する指針(案)」がとりまとめられた.その内容について概説するとともに,検討の過程等において課題とされた点について整理した.費用対効果分析も現時点においては絶対的な基準として採用できるほどの精度を持ちうる便益評価手法が確立されている訳ではない.分析事例の蓄積,研究上の進歩を踏まえ,改善の努力を続けていくことが求められる.

論説
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