2007 年 10 巻 2 号 p. 022-033
英国では,バスの規制改革以降,ロンドンとそれ以外のイングランド地域では,利用者の推移等の面で状況は対照的であり,ロンドン以外の地域では,サービス面での課題が顕在化している.その中で,ケンブリッジでは,2000年に策定された第1次地域交通計画(LTP)によるパッケージ・アプローチにより,バス交通の利用が伸長している.同地域では,さらに増大が見込まれる住宅需要とそれに対応した地域の足の確保が喫緊の課題となっており,これに対応し,ガイドウェイバス計画が進んでいる. 本稿は,英国における計画構造の変革が進む中,5年間の新地域交通計画の評価と新たな取組みをフォローし,都市と交通政策のあいまった地方行政レベルでの対応の方向性を論じたものである.