2007 年 10 巻 3 号 p. 002-010
ビジット・ジャパン・キャンペーンをはじめとする一連のインバウンド政策の効果もあり,訪日客が増加している.しかし一方で,韓国人国際旅行者のうち,訪日割合が減少していることも報告されている.将来,訪日客は増加するのであろうか.本研究では,将来のアジア諸国における国際旅行の考察を行う.分析は2点から成る.1つは旅行発生量の分析であり,もう1つは訪問地割合の分析である.旅行発生量の分析により,各国とも2030年までは概ね国際旅行者が増加すると予測された.また,訪問地割合の分析を行った結果,北米,ヨーロッパというアジア諸国から遠方への訪問割合が増加し,日本への訪問割合が減少することが確認できた.