2012 年 15 巻 3 号 p. 018-028
近年,都市鉄道の政策課題としては,これまでの「量的整備(輸送力増強)」に加え,「質的整備(利便性向上)」の重要性も指摘されるようになり,また,再開発等による都市構造の変化によって生じる新たな問題も発生している.本研究では,これらの政策課題の解決に向けて,都市鉄道等利便増進法に注目し,同法の活用促進に向けた研究を行った.具体的には,同法の適用事業の関係者(地方自治体,整備主体,営業主体)に対するヒアリング調査結果から得られた意見を踏まえて,制度全般の視点ならびに各関係者の視点から,制度の使いやすさを向上させるための課題を整理した上で,それらの課題解決に向けた検討ならびに提言を行った.