2017 年 19 巻 4 号 p. 025-031
北米=東南・南アジア間の大陸間横断フライトにおいて,太平洋周りの場合,成田空港,仁川空港,桃園空港,香港空港の4空港が主たるトランジット空港となっている.本研究では,北東アジアのトランジット空港選択の実態を,データベースの解析から明らかにした.桃園空港はタンソンニャット空港をODとするルートでトランジット旅客数を伸ばし,成田空港からは主に仁川空港にトランジット旅客がシフトしていることがわかった.また,成田空港のトランジット旅客を対象にAHP(階層化分析法)を用いて,乗継ルート選択において重視する要因の重要度を明らかにした.その結果,業務目的は「航空会社」を最も重視している一方,観光・VFR目的は利用する「フライト」を最も重視する結果を得た.「空港」はどの旅行目的でも相対的に高いウェイトではなかったものの2割前後であり,重要な要因として認識されていることがわかった.