2018 年 20 巻 p. 040-048
経済活動のグローバル化の中で企業はサプライチェーンを構築し,国際海上コンテナ輸送はその根幹を支えている.今後懸念されるドライバー不足や輸送コストの削減のため,港湾と荷主を結ぶ背後輸送の効率化の機運が高まっており,その一手段としてコンテナのラウンドユースが期待されている.内陸部にドライポートを設け,より多くの荷主がラウンドユースに参画することがそのマッチングを高める手段として想定される一方,ドライポートの設置・運営や陸上輸送経路の変更,さらには輸出入コンテナ個数のインバランスに起因する追加コストも懸念される.上記を背景とし,本研究ではドライポートの運用形態を設定した上で,コンテナ流動の実績データを用いて荷主やトラック事業者等関係する主体ごとに,背後輸送の効率化の効果を定量的に試算した.