2003 年 5 巻 4 号 p. 002-013
世界の主要な都市圏の多くは複数の空港を有しており,各空港が互いに補完的な役割を担うように機能を分担して運用されている.この「複数空港システム」において,新空港の整備等に伴い機能分担ルールを変更する際には,航空旅客の空港選択行動や利便性に与える影響を考慮することが必要である.そこで本研究では,複数空港システムにおける機能分担ルールの変更が航空旅客の利便性に及ぼす影響を評価する手法を構築し,わが国の首都圏を対象として,機能分担ルールの複数の代替案について比較評価を行った.これにより,本研究で構築した手法が機能分担ルールの評価手法として実用性のあることを示した.