2003 年 5 巻 4 号 p. 014-023
現在,陸上の貨物輸送市場はトラック輸送に過度に依存しており,これが,様々な社会問題をもたらしている.そのため,1990年代から各国は,トラック貨物を大量輸送機関である鉄道にシフトさせる施策を推進してきている.そして今日では,鉄道とトラックとの結合によるより競争力のある輸送システム,即ち,インターモーダル貨物輸送システムの推進が求められている.本研究では、鉄道を如何に物流体系に組み込むかに着目して,現状の鉄道輸送の問題点を分析・解明し,インターモーダル輸送に対応する鉄道システムの基本概念と具体化へのアプローチの構築と鉄道貨物の改善への提言を行った.また,九州地域における鹿児島・長崎本線によるケーススタディーを行った.