運輸政策研究
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Print ISSN : 1344-3348
研究
新交通システム需要予測の事後評価
-ピーチライナーを例として-
森川 高行永松 良崇三古 展弘
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2004 年 7 巻 2 号 p. 020-029

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抄録

需要予測における誤差要因を解明するため,愛知県小牧市の名鉄小牧駅と桃花台ニュータウンを結ぶ桃花台線ピーチライナーを取り上げ検証した.計画者が4段階推計法を用いて行った需要予測値約31,000人/日は実績値約2,100人/日の約15倍の過大予測であった(比較年:1991年).分析の結果,ニュータウン入居者数の予測誤差による「発生」段階で約1.7倍,分担率曲線の時間移転性や競合路線の未考慮による「分担」段階で約7倍の誤差が確認された.計画者と同じデータを用いて構築した非集計モデルでは,競合路線と予測時点の社会経済属性の前提が適切であれば,予測が実績に大きく近づくことが示された.

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© 2004 一般財団法人運輸総合研究所
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