我が国の空港容量の拡大は滑走路を新設する等のハード面の対策が主に取られてきたが,今後は航空管制の柔軟な運用による容量増加等,ソフト面の対策も十分に検討することが必要である.航空機材によって,輸送能力,速度,安全間隔,騒音被害などの特徴がそれぞれ異なることから,これらの特徴を考慮した航空管制は空港容量の増加に効果的であると考えられる.本研究では,国内航空需要が集中する羽田空港を対象に,航空機材ごとの特徴を再現できるシミュレーションの開発を行い,管制運用上の工夫による空港容量の増加可能性及び容量増加に伴う利用者利便や航空機騒音を定量的に評価した.