2006 年 9 巻 2 号 p. 015-024
アジア諸国の急激な経済発展を背景として,コンテナターミナルの大規模化,IT化等を進めた香港,シンガポール,釜山等のアジアのコンテナ港湾が急速に港勢を拡大している.一方,伝統的なアジアのコンテナハブ港湾であった神戸港を始めとするわが国のコンテナ港湾の国際競争力は低下の一途をたどっている.本論文では,わが国のコンテナターミナルの競争力強化に向け,国及び港湾管理者が平成17年度から実施している特定国際コンテナ埠頭支援政策について,国民経済上の費用対効果及びターミナルオペレーターの収益性並びに公的部門が行う支援策としての財政効率性について評価を試み,支援策の意義と展望を考察する.