トレーニング科学
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実践研究
競技力の異なる男女ジュニア短距離選手の股関節筋力と筋横断面積
星川 佳広村松 正隆飯田 朝美井伊 希美中嶋 由晴
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2011 年 23 巻 2 号 p. 153-165

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抄録
本研究は男女のジュニア短距離選手において,股関節筋群の筋力と筋横断面積を調べることを目的とした.被検者は男女計45名の高校生短距離選手であった.また同年齢の長距離選手(11名)と非トレーニング群(18名)が比較のために参加した.股関節伸展・屈曲筋力(角速度3.14 , 5.23rad/s)は等速性ダイナモメータで計測し,大腰筋と大殿筋の横断面積をMRI法で求めた.短距離選手の股関節筋力は,非トレーニング群,長距離選手と比較して伸展側でより強かった.筋横断面積(体格補正値)は,女子では短距離と長距離選手で差異がなかったのに対して,男子では大腰筋,大殿筋ともに短距離選手が長距離選手よりも大きな値を示した.股関節筋力は屈曲,伸展ともに競技レベルと無関係であったが,競技レベルの高い短距離選手は,女子では大腰筋の,男子では大殿筋の横断面積が大きかった.これらの結果は,男女ともに短距離選手はジュニアにあっても股関節伸展力の高さを特徴とすること,股関節筋群の形態発育では男女で傾向が異なることが示唆された.
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© 2011 日本トレーニング科学会
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