トランスパーソナル心理学/精神医学
Online ISSN : 2434-463X
Print ISSN : 1345-4501
「大きな問い」とボランティア活動に関する研究
大学生のスピリチュアリティを育む一事例
村上 祐介
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 14 巻 1 号 p. 63-84

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抄録
本研究の目的は、「大きな問い」について考える能力 としてのスピリチュアリティと、大学生のボランティ ア活動との関連を調査することであった。ボランティ ア活動を行う大学生5名に半構造化面接を行った。そ の結果、ボランティア活動を始める動機として、大き な問いが影響していることが示唆された。また、ボラ ンティア活動において大きな問いについて考える局面として、ボランティア活動全体、障がい児・者支援活 動、環境美化活動、スタッフの意見の対立、友人・社 会人との対話、他のボランティア団体との接触、ボラ ンティア活動以外の生活場面というカテゴリーが得ら れた。こうした結果から、大学生のスピリチュアリティ の涵養には、「他者との出会いによる視点の拡張」とい う側面が寄与していることが示唆された。最後に、今 後の研究の展望として、大学生や成人のスピリチュア リティ、ボランティア活動、学習活動との関連を明らかにすることが論じられた。
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© 2015 日本トランスパーソナル心理学・精神医学会

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