抄録
本研究の目的は,新型コロナウイルス恐怖とストレス反応の関連を,スピリチュアリティの一側面である超越性が媒介するかを検討することであった。オンライン調査を実施し,940名(平均年齢 = 40.42歳,男性442名,女性498名)を分析対象とした。媒介分析の結果,スピリチュアリティは,新型コロナウイルス恐怖とストレス反応を部分的に媒介したが,その効果は極めて限定的なものにとどまった。日本においても,スピリチュアリティの超越性が,パンデミック禍の人々のメンタルヘルスの維持に一定の役割を担う可能性が示された。本研究の限界と今後の展望が議論された。