トランスパーソナル心理学/精神医学
Online ISSN : 2434-463X
Print ISSN : 1345-4501
21 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 修行の目的、出家と在家、戒と律
    石川 勇一
    2022 年21 巻1 号 p. 1-14
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2024/01/16
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  • 小室 弘毅
    2022 年21 巻1 号 p. 15-35
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2024/01/16
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    現代芸術家荒川修作は、「天命反転」という独自の概念を提唱し、創作活動を行ってきた。「天命反転」とは、人が死ぬということ=「天命」を反転させるという意味であり、「人は死ななくなる」という主張である。この「天命反転」思想を実現するために、荒川は建築作品を創作してきた。本稿では、荒川が提唱する「新しい感覚的重力」に着目し、荒川建築におけるバランスを失うという仕掛けについて考察する。荒川は、建築によって私たちの身体のバランスを失わせることによって、重力に対する感覚を作り変えようとする。それによって場所でも身体の行為でもない環境を、現象として発生させるのだという。荒川の建築作品は非日常のテーマパークから日常の住宅へと発展的に展開した。バランスを失うという仕掛けが日常化することによって、私たちの身体はより可能性に満ちた動きをするようになり、それによって荒川の「天命反転」構想はより一段実現度を増したということができる。
  • 岡野 利津子
    2022 年21 巻1 号 p. 36-50
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2024/01/16
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    プロティノス(205-270年)によれば、「一者と合一」するにはまず知性界の意識に目覚めることが必要であり、それには感性界における欲や情念からの「浄化」や、「問答法」による知性界における意識の深化が求められる。しかし、そのようにして直知される真実在は複数性をもち、万有の究極的な始原ではないということになる。始原を探求する者は、知性界の真実在についての真理といえども手放さざるを得なくなるが、そのようにして完全な自己放下がなされるとき、一者との合一が起こる。一者そのものは認識も言語も超えたものだが、一者との合一に至った者は自己のその状態を振り返って見ることにより、一者が諸存在にとっていかなるものであるかを直知することができる。これは、一者自身が自己を振り返って見て知性を生み出す働きに即した働きだと言える。また、直知された内容は、逐次的な思惟や身体的な感覚によって捉え直されることにより論理的に説明され、言語化される。
  • 超越性に着目して
    村上 祐介
    2022 年21 巻1 号 p. 51-61
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2024/01/16
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,新型コロナウイルス恐怖とストレス反応の関連を,スピリチュアリティの一側面である超越性が媒介するかを検討することであった。オンライン調査を実施し,940名(平均年齢 = 40.42歳,男性442名,女性498名)を分析対象とした。媒介分析の結果,スピリチュアリティは,新型コロナウイルス恐怖とストレス反応を部分的に媒介したが,その効果は極めて限定的なものにとどまった。日本においても,スピリチュアリティの超越性が,パンデミック禍の人々のメンタルヘルスの維持に一定の役割を担う可能性が示された。本研究の限界と今後の展望が議論された。
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