2024 年 53 巻 p. 89-100
本稿では,雑誌『家の光』を通し,農村地域における「食の外部化」過程について考察した.則ち,1950年代に入り,生活改善運動により「調理の共同化」が促され,1960年代に入り拡大した共同炊事に,1960年代後半から農協の生活購買事業が利用されることで,「食の外部化」が本格化した.その背景には,兼業化が招く過重負担の軽減を求める農家女性側の主体的要因と,一方,その外的要因として,生活改善運動の展開と結びつくことで供給量拡大を意図する同購買事業の企業論理的展開が存在した.更に,1970年代に入り,農家女性における農外就労の増加を背景に,民間スーパーの出店による購買環境の整備と,モータリゼーションの進展を更なる外的要因として,この外部化が進展していった.