2010 年 39 巻 1 号 p. 15-20
マット状の苗の補助資材として用いた防草シートが法面に植栽したグラウンドカバープランツの生育に及ぼす影響を検討した。その結果, ポリ乳酸繊維不織布は育苗期間中のカバープランツの生育がポリエステル不織布およびポリプロピレン不織布に比較して劣り, 植栽直後の被度の低下が大きかった。その後はいずれの実験区もカバープランツの被度の合計は高まり, 植栽当年の9月以降は概ね90%以上で推移した。草種構成は, 植栽直後はツルマンネングサの被度が高かったが, 宿根バーベナとともに減少し, 植栽3年目にはヒメイワダレソウおよびクリーピングタイムが優占した。クリーピングタイムの被度は, 南斜面よりも北斜面のほうが高く推移した。防草シートを貫通して下部の土壌に生育した根の割合はシート間で著しい差異がみられ, ポリエステル不織布で顕著に高かった。