抄録
クズの登攀茎と匍匐茎の直径および被登攀植物の茎の直径を栃木県内の4地点で調べた。
その結果, 登攀茎は細く, 匍匐茎が太いことが明らかになり, 蔓の直径が登攀茎と匍匐茎への分化に関与していることが示唆された。また, 被登攀植物の種類は4調査地点で総計17種に及び, それらの植物の茎の直径は1.0mm (キンエノコロ, 大芦川調査地点) から9.2mm (コセンダングサ, 思川調査地点) の範囲に含まれていた。この結果から, クズの登攀茎の直径と被登攀植物の茎の直径に相関関係は存在せず, クズは隣接する他物に無作為に絡み付くことが明らかになった。