芝草研究
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研究論文
色温度および照射時間の異なる高光束密型LED光源下におけるバミューダグラス品種Tifway (Cynodon dactylon×C. transvaalensis) の生育
浅井 俊光田中 聡片岡 知典及川 浩生今野 洋子水庭 千鶴子高橋 新平
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2017 年 46 巻 1 号 p. 57-64

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抄録

我が国のバミューダグラスの中で最もスポーツターフに使用されている交雑種品種Tifway (以下, 流通名であるティフトン419と記載) に対して, 5,000Kと2,700Kの2つの色温度のLEDランプを用いて光合成光量子束密度 (PPFD) と照射時間を変えて補光し, 生育量の推移を調査した。その結果, 7日ごとの草高の伸長量については, 2,700Kの処理区においてより上方へ伸長する傾向が認められた。一方, 刈草の乾物重量については, 5,000Kと2,700Kで同じPPFDの処理区間では, ほぼ同等の乾物重量が得られたことから, 5,000Kの補光は上方への伸長は抑制されるものの, 2,700Kの補光よりも地表面に近い位置に多くの葉を展開していることが明らかとなった。実験終了時の各処理区の乾物重量については, 総重量では処理5 (5,000K・800μmol・8h) >処理4 (5,000K・800μmol・4h) と8 (2,700K・800μmol・4h) >処理2 (5,000K・400μmol・4h) と7 (2,700K・400μmol・4h) と処理3 (5,000K・800μmol・2h) >処理1 (5,000K・無補光) と6 (2,700K・無補光) の順となり, 地上部, 地下部の乾物重量においても, 概ね同様の結果となった。このことから, 地上部, 地下部ともにその生育量を増大させるためにはPPFDと照射時間の増加が有効であることが明らかとなった。しかしながら, PPFDと時間のいずれが有効であるかは, 本実験の設定範囲では明瞭ではなかった。また, 本実験に使用したLEDランプはT/R比に及ぼす影響については明らかにならなかった。また, ティフトン419に対して, 2,700Kの600nm付近の長波長を主とした補光は匍匐茎長を増大させ, さらに節間の長い節が増加する傾向が認められた。特に処理8 (800μmol・4h区) など高PPFDと4時間程度の照射時間の場合は, 節間の長い (約40〜60mm) 匍匐茎の伸長が, 5,000Kの450nm付近の短波長を主とした補光は, 節間が短い (約30mm〜40mm) の節を増加させる傾向があり, より緻密なターフ形状を形成する効果が高いものと推測された。

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© 2017 日本芝草学会
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