芝草研究
Online ISSN : 1884-4022
Print ISSN : 0285-8800
ISSN-L : 0285-8800
46 巻, 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
総説
研究論文
  • 池村 嘉晃, 廿日出 正美
    2017 年 46 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 2017/10/31
    公開日: 2021/05/17
    ジャーナル オープンアクセス
    ホームセンターなどで購入可能な安価なトタン製の簡易蒸発皿を利用して, 気象観測機で予測するETOを予測した。EPanとETOの相関はr=0.67であり, 高い相関が見られた。予測式の切片は−0.54と小さいので, 予測式を単純化させるために, 切片=0とし, 傾きのみを変換係数としてKp=0.78とした。結果, 簡易蒸発皿を利用してのETCの予測式は, 暖地型芝草ETC=0.53×EPan, 寒地型芝草ETC=0.71×EPanとなった。また, VPDとETOの相関はr=0.78であった。切片は, −0.51mmであったが, 予測式を単純化させるためにも切片=0とし, Kp=6.09とした。よって, VPDから芝草のETCを予測するには, 暖地型芝草ETC=3.7×VPD, 寒地型芝草ETC=4.9×VPDとなった。土壌水分の収支を記録する場合は, 雨量の測定も必要であり, 簡易蒸発皿の水位の増加量と雨量には高い相関関係 (r=0.99) があり, 予測式は, 雨量=0.94×簡易蒸発皿増加水位+0.96となった。よって, 簡易蒸発皿の使用により, 土壌水分の帳簿を作成することが可能だと考えられた。
  • 浅井 俊光, 田中 聡, 片岡 知典, 及川 浩生, 今野 洋子, 水庭 千鶴子, 高橋 新平
    2017 年 46 巻 1 号 p. 57-64
    発行日: 2017/10/31
    公開日: 2021/05/17
    ジャーナル オープンアクセス
    我が国のバミューダグラスの中で最もスポーツターフに使用されている交雑種品種Tifway (以下, 流通名であるティフトン419と記載) に対して, 5,000Kと2,700Kの2つの色温度のLEDランプを用いて光合成光量子束密度 (PPFD) と照射時間を変えて補光し, 生育量の推移を調査した。その結果, 7日ごとの草高の伸長量については, 2,700Kの処理区においてより上方へ伸長する傾向が認められた。一方, 刈草の乾物重量については, 5,000Kと2,700Kで同じPPFDの処理区間では, ほぼ同等の乾物重量が得られたことから, 5,000Kの補光は上方への伸長は抑制されるものの, 2,700Kの補光よりも地表面に近い位置に多くの葉を展開していることが明らかとなった。実験終了時の各処理区の乾物重量については, 総重量では処理5 (5,000K・800μmol・8h) >処理4 (5,000K・800μmol・4h) と8 (2,700K・800μmol・4h) >処理2 (5,000K・400μmol・4h) と7 (2,700K・400μmol・4h) と処理3 (5,000K・800μmol・2h) >処理1 (5,000K・無補光) と6 (2,700K・無補光) の順となり, 地上部, 地下部の乾物重量においても, 概ね同様の結果となった。このことから, 地上部, 地下部ともにその生育量を増大させるためにはPPFDと照射時間の増加が有効であることが明らかとなった。しかしながら, PPFDと時間のいずれが有効であるかは, 本実験の設定範囲では明瞭ではなかった。また, 本実験に使用したLEDランプはT/R比に及ぼす影響については明らかにならなかった。また, ティフトン419に対して, 2,700Kの600nm付近の長波長を主とした補光は匍匐茎長を増大させ, さらに節間の長い節が増加する傾向が認められた。特に処理8 (800μmol・4h区) など高PPFDと4時間程度の照射時間の場合は, 節間の長い (約40〜60mm) 匍匐茎の伸長が, 5,000Kの450nm付近の短波長を主とした補光は, 節間が短い (約30mm〜40mm) の節を増加させる傾向があり, より緻密なターフ形状を形成する効果が高いものと推測された。
報告
資料
講演要旨
feedback
Top