芝草研究
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芝草の生育基盤改良に及ぼす土壌改良資材の効果
増田 拓朗米倉 正樹谷 利一
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1992 年 21 巻 1 号 p. 32-40

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抄録

数種の珪酸を主成分とする土壌改良資材を用いて, 芝草の生育基盤改良に及ぼす効果について検討した。
実験Iとして, 高松パブリック・ゴルフコースのコウライグリーンにおける現地試験を行った。各資材を現地土に体積割合で20%混入し, 2年間の生育状況を追跡したが, 各資材の違いはほとんどみられなかった。この理由としては, 灌水, 施肥などきめ細かな管理が行われていたことによるものと考えられる。
実験IIとして, ベントグラスを用いたポット実験を行った。播種後の発芽には土壌の透水性が大きく影響することが認められた。その後の成長については, 土壌物理性というよりは, 肥料とくに窒素含有量が大きく影響することが認められた。ただし, ポット実験ということで, 転圧や踏圧を加えない条件下の結果である。実際の芝生地では頻繁な踏圧を受けるため, 土壌固結が成長量にも影響することが考えられる。
供試土壌の圧縮実験を行った結果, 三相分布, 透水係数, pF-水分特性など土壌物理性の圧縮に伴う変化は各資材によってかなり異なり, それぞれの特徴が認められた。各資材の特徴を理解して使用することが重要である。

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