2017 年 49 巻 1 号 p. 121-128
本研究は,一般の学生が行ったデザインの評価についての研究である。プレゼンテーションのポスターは,商業向けポスターと異なり,より多様な専門をもつ者が制作に関わる。そこには基本的なデザイン教育の影響が見えるはずである。今回,基本的なデザイン教育の知識や感性をどのように利用しているかについて大学生を対象に調査を行った。分析方法については,学生たちがプレゼンテーション用のポスターをどのように評価するのかについて,その評価のコメントを分析した。その結果,個人の評価傾向に違いが見られた。その一つとしては,一様な評価を行った学生は多様な評価を行った学生よりもシンプルさを評価し,インパクトを評価しない傾向がある。これらの傾向を踏まえて,今後のデザイン教育のあり方について考察を行った。