本研究は生徒が自分の作品のアイデアに納得し,創造性の飛躍を実感できる題材の開発が目的である。本研究が提案する学習指導上の特徴は,創造性の細分化である。授業導入時から作品のアイデアスケッチの段階において意欲,知識,思考へのアプローチを提示した。本研究は中学生を対象とした題材開発を通して得られた研究成果とその課題についての報告である。提案する学習指導法は作成したルーブリック評価表を用いて,生徒の振り返り記述を分析し,生徒が自覚した学習内容や自己変容の中から創造性の飛躍について検討した。その結果,生徒は難しいと思っていたアイデアスケッチを易しいと感じられるようになり,その後の作品制作に時間をかけられるようになった。さらに生徒が作品を制作していく過程で少しずつ改善していくことが小さな刷新になり,そのことに気づくことで創造性の飛躍を感じられることが明らかになった。