植草学園大学研究紀要
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植草学園大学研究紀要
車いす体験学習の実施報告
── 大学生および小学生による学習内容の比較 ──
窪谷 珠江角 正美植草 泰憲
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2024 年 16 巻 p. 59-66

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抄録

〔目的〕健常な大学生および小学生を対象に車いす体験学習を実施し,観察された行動および感想を年代 別に比較することで,学習内容の検討および改善を図ることを目的とした。〔方法〕大学生5名,小学生3 名が参加した。参加者は車いすで,廊下,アスファルト,坂道および段差の移動を体験した。車いすの操作 は,自走,介助あるいは被介助の3種類とし,体験後に感想を記載してもらった。体験中に観察された行動 は筆者が記録した。〔結果〕自走および被介助において,大学生では坂道でスピードの速さに対する恐怖心 があり,また段差でも座面の傾斜による恐怖心があった。一方で,小学生では恐怖心はなく逆にスリルを楽 しんでいたことが特徴的であった。〔考察〕体験学習での指導において,小学生には,車いす利用者が恐怖 心を抱きやすい場所を理解させ,安心される介助法について考えられるよう,意識づけることが望ましいと 考えられる。

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